【緑ナンバー】許可取得の資金要件について
前回の記事では「営業所の認可要件」について書かせていただきました。
今回は『緑ナンバー許可取得』のご相談をいただく中で一番のハードルとなる「資金要件」について書かせていただきます!
まずは緑ナンバー許可を取得するための要件が記載されている東北運輸局の「公示」というものがありますが、その中の「資金計画」の内容をご紹介します。
資金計画
東北運輸局 公示より
① 事業開始に要する資金(以下「所要資金」という。)は、次に掲げるものの合算額とし、その見積もりが適切なものであること。
(ア)車両費
取得価格(改造費を含む。分割の場合頭金及び1か年分の割賦金。ただし、一括払いの場合は全額。)、リース車両の場合は1か年分のリース料。
(イ)建物費
取得価格(改造費を含む。分割の場合頭金及び1か年分の割賦金。ただし、一括払いの場合は全額。)、賃借の場合は1か年分の賃借料。
(ウ)土地費
取得価格(造成費を含む。分割の場合頭金及び1か年分の割賦金。ただし、一括払いの場合は全額。)、賃借の場合は1か年分の賃借料。
(エ)機械器具、備品什器費等
取得価格(割賦未払金を含む全額。)
(オ)運転資金
人件費(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料及び労災保険料の内訳を含む)、燃料費、油脂費、車両修繕費及びタイヤ・チューブ費のそれぞれの6か月分に相当する金額。
(カ)保険料等
・ 自動車損害賠償責任保険料(1か年分)
・ 任意保険料等(賠償できる対人賠償責任保険料又は共済掛金の1か年分。ただし、石油類、化成品類、高圧ガス類等の危険品を運送する場合は、このほか、当該危険品に対応する損害賠償責任保険料の1か年分。)
(キ)その他
環境性能割、自動車税(1か年分)、自動車重量税(1か年分)、登録免許税、消費税の税額及びその他会社の設立費用等開業に必要な資金。
とあります…
こういう文章は見慣れていないとわかりづらいですよね。
これを少しわかりやすくざっくりですが解説してみます。
許可取得の資金要件を分かりやすく解説
トラック
- これから一括で購入する場合はその購入価格
- 分割で購入する場合は頭金+1年分の支払額
- リース契約の場合は1年分の支払額
- 自己所有(車検証の所有者欄にお客様の名前が書いてある)場合は「0円」
トラックの税金
- 自動車税・重量税額1年分
- 新車や年式が新しいトラックを購入した場合は、環境性能割(旧:取得税)の金額
トラックの保険料
- 自賠責保険料と自動車任意保険料1年分
トラックの燃料費と修繕費など
- 運行距離やトラックの台数から計算した6か月分の金額
営業所と車庫
- これから一括で購入する場合はその購入金額
- 分割で購入する場合は頭金+1年分の支払額
- 賃借の場合は1年分の支払額
- 自己所有の場合は「0円」
人件費
- 社長やドライバー、運行管理者等の6か月分の給与・賞与の金額
- 上記の人員にかかる社会保険料6か月分
その他
- 許可を取得したら国に納める登録免許税12万円
- 仕事をするのに必要なパソコンやプリンターなどを購入する場合はその購入価格
(すでに持っている場合は不要)
ざっくりですが、上記の合計額の現金預金が必要になります。
一般的には1,500万円以上必要と言われています。
資金要件の事例
なんとなく何にかかるお金が必要なのかわかったと思いますが、具体的にいくら必要なのかをイメージすることは難しいと思います。そこで、過去に弊社で許可取得をサポートしたお客様の内容で見ていきましょう!
- 内容は2022年申請のものになりますので、保険料や燃料費など申請時点で細かいところは変わりますのでご了承ください。
トラック
5台自己所有で0円
内訳:大型3台、中型1台、ライトバン1台
トラックの税金
約31万円(環境性能割は0円)
トラックの保険料
約91万円
トラックの燃料費と修繕費など
約80万円
(他の事業をメインでされているので、運行距離が短いため燃料費も少なくなっています。)
営業所と車庫
営業所建物と車庫の土地を所有していたので0円
人件費
約990万円
(しっかりとした運行管理体制を計画し5人で申請しています。)
内訳:役員1名の給与40万円/月、他4名のドライバー等の給与25万円/月(賞与は0円)
その他
15万円
内訳:登録免許税12万円、2か月分の水道光熱費など
以上の金額を合計すると約1,200万円です。
こちらの事業者さんはトラックも営業所建物、車庫の土地も自己所有でしたので計画資金を抑えられました。
この計画資金を上回る現金預金が必要になります。
現金預金が計画資金ギリギリで申請した場合、審査途中に運輸局の指示で資金計画を修正することになり、必要資金が足りなくなってしまうということも起こりうるため、多めに準備することをおすすめいたします。
この例ですと2,100万円くらいあるといいですね!
もし自己資金で足りない場合は、資金の調達方法は問われませんので、金融機関から融資を受けるのも大丈夫です。
もちろん金融機関からの融資以外の方法で準備しても大丈夫です。
いかがでしたでしょうか?この記事を読んでくださったお客様が緑ナンバー許可を取得するにはどれくらいのお金が必要なのか、なんとなくイメージできましたでしょうか?
ある程度計画が固まって、資金もご準備できそうでしたら専門家に相談されるのがおすすめです!
仙台市内、仙台市近郊の方は仙台登録事務所へお気軽にご相談ください。
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。